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どうも!自称「世捨て人」のカナモです!
今回は、アウトドア好きの中で最近徐々に流行りつつある「MYOG」について語りたいと思います。
最近、アウトドア派のアイテム集めの傾向は、「既製品の中から選ぶ」から「何としても理想のアイテムを手に入れる」というものに変わりつつあります。
それを後押しするのがMYOGというわけです。
もくじ
MYOGとは
MYOGは、「メイク・ユア・オウン・ギア(make your own gear)」の略です。
要するに「自分で作ってまえ」という事ですね。
アウトドア用品店に行っても、「惜しいけど求めてた物とはちょっと違う。」という事って、珍しくないです。
ほんの少しサイズが大きいとか、無駄な機能が気になるとか、重量を軽くしたいとか。
市販品で満足出来ないとなると、残る道は2つ。
オーダーメイドか、自作か。
オーダーメイドだと完成度の高い物が確実に手に入りますが、費用がかなりかかるし、そもそも受け付けてくれる業者がいるかどうかも分かりません。
MYOGなら、低予算で好きなように作る事ができます。
MYOGで作れるもの
理論的には、気合いと時間と素材さえあれば、世の中の殆どのアウトドアアイテムを作ることができるんですが、残念ながら現実はそんなに甘くないです。
MYOGでよく作られているのは、
- タープ
- テント(フロアレスシェルター)
- ザック
- サコッシュ
- スタッフバッグ
- シュラフカバー
- ストーブ
- 財布
このあたりです。
基本的に、金属パーツをあまり使わない物がMYOGの対象となります。
金属加工できる設備を個人で所有してる人なんて殆どいないですからね。
チタンの加工なんて個人ではまず無理です。
但しストーブは空き缶で作れるレベルの物もあるので例外です。
MYOGの強い味方「OMM」
アイテムを自作するために必要なのは「根気」と「材料」です。
前者に関しては本人の努力次第ですが、材料だけは絶対に必要です。
そしてそんな自作マニア達に支持されているのが「OMM(outdoor material mart)」という通販サイトです。
アウトドアメーカーのOMM(original mountain marathon)ではありません。
このサイトでは、アウトドアギアによく使われている素材(主に生地)を取り扱っていて、テントやタープ、バックパックなどを自作するのに必要な材料が手に入ります。
MYOGビギナーは、構造が単純で必要な素材の種類も少ないタープやシュラフカバーから作ることが多いです。
OMM以外で同じような素材はなかなか売られてないんで、とても便利なサイトですよ。
MYOGで人気の素材
実際にどういった物を使ってMYOGが行われているのかを紹介します。
タイベック
自作アイテムの素材としては代表的なものです。
デュポン社の製防水透湿のシートで、元々は住宅の壁の中に使われていたんですが、その性能がアウトドアギアにも適していると分かり、タープやテント、財布などの素材として広く使われるようになりました。
タイベックにはソフトとハードの2タイプがあります。
ソフトタイベックは薄く柔らかいので、タープやシェルター向きの素材です。
ハードタイベックはその名の通り硬く、ソフトタイベックに比べて厚いので、テントのグランドシートなんかにはぴったりです。
タープなど、ピンと張っておくだけで良い物にはソフトタイベック、摩擦などが多く耐久性が必要な物にはハードタイベックという感じの使い分けです。
タイベック製シュラフカバーは、一般的なものと比べても価格的な乖離はありません。
キューバンファイバー
現状では最強の生地です。
船舶用のロープ等に使われているダイニーマという繊維を、UV硬化樹脂でラミネートしたものなんですが、最大の特徴は高い重量比強度と防水性です。
激薄素材にも関わらず、同重量の鉄の15倍という強度があるので、ちょっと引っ張った程度ではまず破れません。
防水性も高い(完全防水)ので、タープやテントのフライシートには最高の素材です。
但し透湿性はゼロなんで、透湿性能が重要なレインウェアには絶望的に向いてません。
価格が跳ね上がるのも難点ですね。
このバックパックなんて4万円以上します。
ありえない程軽く、価格相応の価値はありますが、素材がまだまだ広く浸透してないんで、価格が釣り上がるのは仕方ないですけどね。正直めっちゃ欲しいです。
でもMYOGなら、市販品を買うより遥かに安く作れます。
クオリティはあなたの腕次第。
X-pac
これも人気な素材です。
簡単に言うと分厚くて頑丈な生地なんですが、ポリエステルフィルム生地の中間層にポリエステル製の糸を格子状に挟んでいて、引裂き強度、引っ張り強度が高く、耐摩耗性も優れています。
主にバックパックやサコッシュなど、荷物を入れる系アイテムに使われます。
防水性も高いので、構造にもよりますがレインカバーは基本的に要りません。
登山系ガレージブランドのバックパックはだいたいX-pac製ですね。
見た目がオシャレなのも、多用されてる理由のひとつです。
価格帯も、キューベンファイバー製のものよりは幾分か安くなってます。
まぁそもそもガレージブランドのアイテムは個性的で価格も高めなんですけどね。
あると便利な道具
当然ながら、MYOGにはある程度の道具が必要です。
ミシン
アウトドアアイテムのMYOGは基本的に縫い合わせる系が多く、ミシンが無いと自作が困難になります。
なので、あると便利というよりは必須の道具ですね。
特にこれと言ったおすすめのミシンは無いんですが、本格的に作るなら厚い素材でも縫えるパワーがあるタイプがおすすめです。
価格帯で言うと2〜3万円くらいのものでしょうか。
安すぎるミシンでは貫通力不足で縫えない可能性があるんでおすすめしません。
カッター&差し金&マット
小物系の制作によく使います。
生地を狂いなく正確に裁断するためには、差し金とカッターを使うのが確実です。
当然ながらマットが無いとテーブルがズタズタになります。
僕はレザークラフトを趣味でやってるんですが、この3つが無いとちゃんとしたものが作れないです。
マットと差し金は何でも良いんですが、カッターは「チタンコート」が最高です。
めっちゃ切れます。
キッチンスケール
基本的にMYOGで重視されるのは「重さ」です。
極限まで薄く・軽く・コンパクトに仕上げることがMYOGの目的のひとつで、U.L.ハイカー達がこぞって自作の超軽量アイテムを使っています。
そのため、作成時における重量の把握はある意味で必須とも言えます。
大きなスケールは必要ないので、1g単位でMAX5kgくらいまで量れるキッチンスケールがあれば問題ないでしょう。
当然僕も持ってます。
まとめ
以上が、最近徐々に広まりつつある「MYOG(Make Your Own Gear)」についてのあれこれでした。
早い話が「無けりゃ自作せんかい」って事ですね。
ホームセンターで当たり前のように目にするDIY(Do It Yourself)と同じように、MYOGという言葉も広く浸透していけば良いなと思ってます。
物々交換がまかり通っていたような時代では、欲しいものは自分で作るというのが当たり前だった筈です。
MYOGとはある意味、原点回帰的な考え方かもしれませんね。
因みに、僕はタイベック製の財布について色々と構想を練っている段階です。
完成したらこのブログでお披露目したいなと思っているので、乞うご期待。
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